1ヶ月くらい入院したのにも関わらず、ろくに検査も行なわれずに退院した。
このとき、自分の中では『ただの事故でそんなに大きな問題じゃないんだな』という認識であった。
それから、自宅に戻り、普通に生活をしていた。
ちょっとだけ勉強をして、長い時間遊んで、寝るというサイクルを繰り返していた。
普通の中学生の生活を続けていたのだが、
悪夢は突然やってきた。
ある日、家族と居間でテレビを見ていた。
そこでは、他愛もない会話がある。
自分もしゃべっていた。
突然声が出なくなった。
考えている事もあるし、話そうとしている。
でも、声が出ない。
いや、声の出し方を忘れてしまったような感覚に陥った。
小学校の理科の実験で使う空気鉄砲の弾が詰まった感じなのだ。弾をパイプの先に入れ、反対側から空気の圧力を掛ける事によって、弾が飛ぶ。空気についての勉強をするための教材キットだ。
さっきの空気鉄砲の発射の原理が声が出る状態だとすれば、自分の声の出ない状態はどんなに圧力を掛けても、弾が発射されずに中の空気が抜けていくような感じなのだ。
数分後、元に戻り、普通に話す事が出来るようになったが、
しかし、自分も家族も危機感を感じずにはいられなかった。
数日後に脳外科の専門病院で検査を受けた。
血液検査から脳波検査、MRIという磁気を使って、脳の状態を調べる検査まで、午前中から夕方まで検査をやった。
そして出た結論は『脳腫瘍の疑いがあるので、札幌医大のほうへ行って見て下さい』というような内容だったと思う。
とにかく、そういうことだった。
前の病院が、あまりにも自分に対して無関心過ぎたのがおかしいくらいの状態だったそうだ。
MRI検査はレントゲンのような感じで、頭の中を調べられる。
その検査で出来た写真を見てびっくりした。
脳の中に明らかに異物があったのだ。
どの位置にあったかは忘れてしまったが、あのインパクトは忘れてはいない。
とにかく、札幌へ行かなくては行けない理由は充分過ぎるほどわかった。
いや、理解させられた、という表現が正しいのだろう。
3学期の終業式が終わって、数日後に札幌へ向かう事になった。
(まだつづきます)
このとき、自分の中では『ただの事故でそんなに大きな問題じゃないんだな』という認識であった。
それから、自宅に戻り、普通に生活をしていた。
ちょっとだけ勉強をして、長い時間遊んで、寝るというサイクルを繰り返していた。
普通の中学生の生活を続けていたのだが、
悪夢は突然やってきた。
ある日、家族と居間でテレビを見ていた。
そこでは、他愛もない会話がある。
自分もしゃべっていた。
突然声が出なくなった。
考えている事もあるし、話そうとしている。
でも、声が出ない。
いや、声の出し方を忘れてしまったような感覚に陥った。
小学校の理科の実験で使う空気鉄砲の弾が詰まった感じなのだ。弾をパイプの先に入れ、反対側から空気の圧力を掛ける事によって、弾が飛ぶ。空気についての勉強をするための教材キットだ。
さっきの空気鉄砲の発射の原理が声が出る状態だとすれば、自分の声の出ない状態はどんなに圧力を掛けても、弾が発射されずに中の空気が抜けていくような感じなのだ。
数分後、元に戻り、普通に話す事が出来るようになったが、
しかし、自分も家族も危機感を感じずにはいられなかった。
数日後に脳外科の専門病院で検査を受けた。
血液検査から脳波検査、MRIという磁気を使って、脳の状態を調べる検査まで、午前中から夕方まで検査をやった。
そして出た結論は『脳腫瘍の疑いがあるので、札幌医大のほうへ行って見て下さい』というような内容だったと思う。
とにかく、そういうことだった。
前の病院が、あまりにも自分に対して無関心過ぎたのがおかしいくらいの状態だったそうだ。
MRI検査はレントゲンのような感じで、頭の中を調べられる。
その検査で出来た写真を見てびっくりした。
脳の中に明らかに異物があったのだ。
どの位置にあったかは忘れてしまったが、あのインパクトは忘れてはいない。
とにかく、札幌へ行かなくては行けない理由は充分過ぎるほどわかった。
いや、理解させられた、という表現が正しいのだろう。
3学期の終業式が終わって、数日後に札幌へ向かう事になった。
(まだつづきます)
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